10月の大豆畑である。
品種はリュウホウという
白目大豆
10月22日の枝豆を過ぎた秘伝青大豆
秘伝大豆の三反分の転作畑

豆畑を見に行った。
昔、豆は水田の畦(あぜ)に植えていた。
畦(あぜ)というのは水田を仕切る道である。
水が染み込みやすいので崩れやすい。
だから豆を植えることによって根を張り、崩れを防ぐという意味もあり、また大豆の根は根粒菌がつき、窒素の供給源になるから稲の栄養源になる

そんな作り方だったので、昔は大量には作っていない。
それぞれの農家が、それぞれに使う分だけ作っていた。
できた豆は、自宅で納豆や味噌を作った。葉や茎は牛や馬の餌になった。
だから自家採種で青豆や黒豆や茶豆など勝手に作っていた。
産直へ行くと「あおまめ」「くろまめ」と品種名を表示していない。
これは農家の自家採種の更新なので、品種名がわからなくなったのである。
ところが基本的な白大豆とか米の種子は、地方自治体(県単位)で管理するという法律が有る。(大豆は白大豆のみ、黒豆や青豆や茶豆は民間管理)
その法律が、なぜなのか…経費の問題か…もう管理しなくていいという法律が国会を通った。
つまり民間で、勝手にやってもいいと言うことらしい。
それは良いと思う人が多いだろう。
行政がやることは、効率が悪い、コスト管理がなっていない。などと思う。

ところが、ここで大きな問題が有る。雑草である。
豆を播くときに「一つ所に三粒の種を播け」という言い伝えが有る。
一粒は、虫のため、一粒は鳥のため、一粒が大きくなって実をつけて人のため。
昔の人は、虫や小鳥も共存する世界に住んでいたのである。
ところが虫や鳥の対策をして種を播いても、畑の豆は雑草が覆うのである。
上手な人は、草を見ずして草を取り、下手は草を見てから草を取る
という言い伝えが有るが、要するに地面を覆う前に取ってしまえという。
普通の人は、雑草の生育に手取りでは追いつかないのである。
雑草は栽培作物の成長に大きな影響を与える。栄養分を横取りして成長を妨げたり、成長が早くて栽培作物の光合成を遮ったり、収穫のときには絡まって収穫作業のじゃまになる。取り残すと翌年は雑草が大繁茂する畑となる。
それでも畦にはえる程度なら、手取りでなんとかなるが、
転作水田に播く大豆の雑草は、手取りでは追いつかない大面積になる。
マルチシートをしたり、畝(うね)の間を管理機(耕運機)でかき回したり
して作業をするのだが、手間とカネがかかる。
そこで海外の輸出用の大農家は、一気に除草できる除草剤を空中散布する。
大豆だけが枯れないで、雑草だけが枯れるという。
その大豆は遺伝子操作で除草剤を効かないようにいしているという。
その除草剤と種の豆をセットで売ろうとする外資系の世界的巨大種苗会社がある
その除草剤と種豆のセットを売ろうとする世界的販売戦略で
日本の文化が捻じ曲げられようとしているのである。

大豆は日本の心である。
味噌、醤油、納豆、豆腐、大豆油、保存食としての豆、飼料、
豆は生産した茎・葉・実の、すべてを使いつくしている。
現在、脱脂大豆(油を搾った粕)を輸入して醤油をつくっており、飼料などの大豆は、ほとんどが海外産である。
一つの大豆の種で、ほとんどの豆加工を賄うことは、危険だ。
病気や鳥獣害で全滅する可能性がある。
多様な種があることが、生態系の維持につながるし、人間の命をつなぐのである。
食べ物は、経済合理性だけで選択するべきではない。
その多様性にこそ、意味があるのである。