「トンネルと2つ抜けて左へ曲がると、もうそこが家だから…」
と、大ちゃんが言う。
”そうかぁ〜、そうだった。トンネルをくぐって、右へ登ってそれから山道だ…”
久しぶりに、いや10年ぶりだろうか…
田野畑の生産者の家を訪ねた。
来るつもりはなかったのだが、急に近くだったのを思い出した。
ちょっと寄って、顔を出さないと…
10年前は、トンネルを抜け、右折し尾根を超えて確か降りたところだった。
走り出して、後悔をした。
いつもは十分に地図を眺めて来るのだが…
10年前に来た感覚が、頭を支配していた

最初の間違いは、トンネルを抜けて右へ行ったのに
その前に右へ行く立派な道ができていたのである。
「あれ?この道か?」
トンネルを抜けない前に、曲がってしまった。
それからが、混乱の始まりだった。
いや!この道か?
左か?右か?
どっちに向かって、走っているのか?
途中、産直で道を聞いた
店員は「グリーンロード知ってますか?」
「そんなの知らない。いいよ、もうナビのまま行くから…」
しかし、ナビは役に立たない。
ナビは、地図の道なき道を車が走っているのである。
そして、ようやく10年前にきた記憶の中の看板が見えてきた。

たっぷりと、ご無沙汰の2時間を過ごし
帰り道、そういえば思い出した。
癌で無くなった主人は、工事中の道路を見ながら
「この道ができれば、一本道で岩泉へ行けるのだが…」
そうなのである。
その一本道を中心にして、
ジグザグに山道を上り下りしながらたどり着いたのである。
大ちゃん!
「トンネル2つ抜けて左」という道案内は正しいが、わかりにくい!

と思いながら、小生も
「店の前を、まっすぐ行って3つ目の信号を左に曲がると葛巻」
という案内をしていた。
2つ目の信号まで5分、3つ目まで1時間、それから葛巻の町中まで1時間

岩手は広いのである。