塩らっきょ

無性に塩らっきょうが食べたくなった。

岩波書店の「図書」6月号に辰巳芳子が”雨を聴く日々”というエッセイを載せている。
毎月送られてくるこの小冊子は、ちょっと読みたい文章が満載である。
届くのを楽しみにしているし、ページをめくるのがまた楽しい。
今月のエッセイは、夏に欠かせぬ仕込みモノといって”らっきょう”が載せてあった。
辰巳芳子は、今の時期、梅を漬け込んだり、らっきょを漬け込んだり、様々な仕込みものの季節だが、我々の暮らしぶりが、マンション住まいだったり、勤めの関係で自由に休めなかったり、専業主婦がいなくなり、手作りモノが作れないような暮らし方になっていると嘆いていた。

全くそうなのである。
旬を大事にと言いながら、旬の時、忙しくて、ついうっかりして見逃すのである。
庭に南高梅が植えてあるが…収穫がずれたり、
満艦飾の柿がなっていても、干し柿にしなければ…と思いながら出かけないといけない。
忙しいと言い訳をしながら、毎年黙って見逃してきたのである。
魔子様が店の仕事を手伝わなくなり、せっせと庭仕事をやり始めた。
そうだ。せっかくだから魔子様の手作り「塩らっきょ」で一杯やるか?

辰巳芳子も言っている。
「暑い盛りにお酒と一緒に召し上がるには塩らっきょうのほうがよいでしょう」

今日は梅雨寒だが、熱燗で温まりながら、塩らっきょうで…
辰巳芳子も勧めているのだから…