先日、若者が言う

「ほんものの出汁の味がわからないのですよ…。
幼いときは母親も忙しくて化学調味料ばかりで…
結婚しても家内は料理に興味がなくて…
昼食は、化学調味料だらけのファーストフードが主体で…」

 

和食は、出しが基本である。
さまざまな料理本で出汁のとり方が書いてあるが
当店も出汁が基本である。
できるだけ本物を味わってほしいと…
当店の味噌汁が美味しいのも、豆蔵という秘伝豆の青大豆の豆のせいも有るが、
それをいかす出汁があればこそである。

 

先日ある文章に出会った。

 

京料理の要となる昆布出汁(だし)について、大学の研究者らによる実験で「昆布のグルタミン酸を最大限に抽出するには60度を保って1時間加熱するのがいい」という結果が出たのだ。
仲間同士でふだんのやり方を比べると、火にかける時間は20分~80分までバラバラ。徐々に温度を上げて沸騰直前に取りだし、カツオ節を加えてふたたび沸騰したところで火を消す、というのが一般的な出汁のひき方だった。代々受け継がれて、そういうもの、と疑わなかった。

調理場で、できたての出汁を味見させてくれた。「間口は細くてすーっと、のどまで入っていくけれど、奥行きがあるでしょ。西洋のブイヨンやフォンは口に入れた瞬間、味がぶわっと横に広がる。和食の『吸い物』とはよくいったもんです」
「出汁」は、昆布のグルタミン酸とカツオ節のイノシン酸が一緒になることで、うま味の相乗効果がうまれる。

 

と書いてあった。
料理も、まだまだ奥が深い

しかし、科学的に解明されても、また人が違えば味も違うという
使用する昆布、水、鰹節。そして気温と火加減に寄る水温の上昇カーブと、さまざまな技の集大成なのだとつくづく感じる。

試してみた。
短時間で濃い出汁が取れた。濃厚で奥が深くて旨い。
魔子様は
「あんまり温度を上げると出汁が濁る」と言い
「水分が蒸発して、とれる出汁の量が少なくなる」と言う

材料や方法だけでなく、それに美的センスと原価まで関わってくるのか?