”せいじ”は「たまご定食」から「牛丼」に変わった。

短角牛丼である。600円で短角の赤身肉を食べられる牛丼である。
いや赤身肉も、申し訳程度についているモツの牛丼である。
これがサーロインの牛丼なら、1000円は下るまい。
(サーロインを牛丼にするという試みは、もったいなくて思いつかないのだが…
金額も試算であるから適当だ!)
そのモツのフィレ(?)を圧力釜でやわらかくして、煮込むと絶品の牛丼が出来上がる。
それを一人前づつ小分けして冷凍すると、これまた熟成して○○家よりも旨い。

それを”せいじ”は、初めて注文した。
”おい!おい!定食みたいに牛丼は、お替わりできないぜ…”と思ったが、
もう大飯を食らうのを止めたのか…
今日も食べ終わったら、テラスでタバコを吸っている

しかし、お盆だ。
帰省客が、ひっきりなしに店内に入ってくる。
食堂は、すぐ満杯になった。
せいじが独りでテラスのテーブルを占領しているのか?と覗いたら
食堂や厨房から、見えない死角の大テーブルに座っていた。
まぁ、そこなら良いか…

 

いい場所を見つけたのか、翌日も、そこへ陣取った。
客からは見えない、厨房からも見えにくい。
食堂で「たまご定食」を食べ、その指定の影の席に移動する
これは長期体制になってきた。と思ったら

配達から返ってくると、せいじが店を出ていったという
まだ昼には程遠い10時過ぎだ…

何があったのだろう?自宅とは、逆の方だ。

そして座っていたその席のそばには、嘔吐したものが有ったという。
「食べ過ぎだ」と片付けをさせられた魔子様は怒って言う

 

”病気だ!”と思ったが…
高齢者・無年金・病気・単身世帯・定年
だれにも待ち構えている問題である。

ふと、今の”せいじ”の結果が、”せいじ”に現れているような出来事である。

翌日も、
その翌日も、”せいじ”は店に現れない。