熊本大学名誉教授徳野貞雄が、来た。
「文学部の農学者」という異名を持ち、
社会学の学会では、スター教授だという。
農村問題と言うと、テレビに呼び出される

体型と顔から判断すると「教授」というよりも、「吠えるライオン」という感じだ。(内緒だ)
彼に吠えられたことがある。
最初は17〜8年前である。

2000年の20世紀最後の全国合鴨フォーラムを岩手で…と言うときだった。
合鴨フォーラムの全国代表であった鹿児島大学の萬田教授に依頼され、
それ以前は、村の公民館を使い、農家に民泊などをして、全国大会を小さな地域の大きなイベントとして続けてきたのである。
そして、その方式を岩手で…と考えたときに…
あまりにも広すぎる県土に、点在する合鴨農家。
全国から客を迎えるのに間違いが有ると、一泊二日の日程では取り戻しようがない。
打ち合わせをする実行委員会を開くにしても、みんなが集まった十分な打ち合わせもできない
そんなことのなかで、繋温泉の大きなホテルでプロの応援を借りて、なんとか開催することができた。
そのときに全国フォーラムの理事をやっていたのが、徳野貞雄教授だった。
開催前に事務局長を勤めた武田哲と、二人で説教を受けたのである。
「合鴨フォーラムの趣旨をゆがめた」と言って!

あの調子だから神妙に聞くしか無い。
(テレビにでたときに見て欲しい。口角泡を飛ばし、髭面の顔が総毛だって、眼鏡の奥の目ン玉が煌々とひかる。ド迫力)
大会が終わって講評のときには「大変、良かった」と感激するぐらいに褒めてくれたのだが…
そんな出会いがあって、あちこちn全国大会で何回か挨拶をする仲になったが…

 

今回は有機農業研究会と農民大学の招請で岩手に来たという
県立大の三須田先生が連れてきてくれた。

 

徳野教授の専門は農村社会学である。
農村問題を得意としている。
農村が抱えている問題は、街も抱えている問題である。

農村から若者が飛び出して後継者難で、農村が維持できない。
それを国は農業問題としているから、機械化や大規模化、移民などの対応を打とうとしているが
農村問題であり、人や家族の問題であることを、彼は強く主張している。

街も一緒である。
若い人が仕事がないからと言って、都会へ都会へとでていく。
高齢化した地方都市は、介護施設ばかりがふえ、
そこへ大規模スーバーがやってきて零細企業の小売業をつぶし
おまけに生鮮野菜の流通も産直が増えて市場流通が青息吐息になっている。
障害者や、車を持っていない人、高齢者などの買い物困難者が増えて、街のコミュニティも破壊されている
何と言っても、岩手の生鮮野菜の旬は4ヶ月しか無いのである。
その旬のときに農家が街へどんどん進出してくるのは、良いことなのか…

ヤニだらけの口の中から飛び出てくるツバキを顔に受けながら、そんな問いかけをした。

彼は、静かに考えた…
それは総合で考えなければ…思想として…