「牛肉が高騰している」という。
当店は野菜中心だから、牛肉は赤身の肉牛「短角牛」しか扱っていない。


その短角牛も「値段を上げたい」と短角考房北風土から言ってきた。

値段を上げるには

正当な理由が、なければ…
そしてその理由が、お客の理解を得られなければ…
ただ、地方経済は疲弊している。
そんな中、値段を上げることで購入が減り、
北風土との間を取り持つ小生とお客様の三者の関係が、壊れるようになると…

そんなことを話をした。
すこし、牛肉高騰の整理をしてみたい

そもそも牛肉を食べる習慣は、東北では最近のこと(ここ50年)である。
山形の米沢牛が有名であるが、学生時代、山形出身の同級生は
「すき焼きを、やろう」と言う言葉で「豚肉を買ってきた」と今でも笑い草である。
しかし、笑えない。
東北では当時、すき焼きは「豚肉」だったのだ。
久慈の山形村の短角農家に聞いても
「牛は商品だから…。
大地を守る会に”自分で作っているものを食べてみなければ…”と言われて
始めた食べたのが…昭和50年」と言う。

そもそも肉食自体が公になったのは明治からであり、
それまでは薬食いと言って、やむなく死んだ家畜を部落で隠れて食べていたのが民衆の食べ方であった。
だから肉食の歴史は、浅いと言わざるをえない。

その日本が、経済成長を遂げて牛肉が食べられるようになり、小生が就職した頃昭和40年代後半に「牛丼の吉野家」ができた。
当時、勤めていた商社は、吉野家に豪州産の牛肉を納品していたため
上司から「牛丼の消費拡大に務めるよう」といつも牛丼を食べていた。
その牛丼に使用した牛肉は、後から聞くと
「それまで食べられない肉(横隔膜)をうすくそぎ切りにする機械ができて、それを加工している肉だ」と言う
科学技術の進歩が食を変えたのである(?)

つまり牛肉の消費は経済成長と共にあったのだ。
今、中国の経済成長が著しい。
中国は豚肉食の文化なのだが、経済成長に伴って美味しい牛肉にシフトしている。
その中国に買い負けているのである。
そして牛肉の消費は、牛丼屋だけでなく、ハム屋や肉加工の職種が日本には様々ある。
扱い量は国産牛よりも、遥かに多いと言わざるをえない。
その扱い量が多い日本ハムなどの食肉加工メーカーは、企業存続のために原材料の確保に必死です。
その海外からの牛肉の仕入の増加と国産食肉加工メーカーの原材料確保、
それに輸出国アメリカの干ばつ、
そんな外的環境の変化と国内では生産現場の減少が拍車をかけて、牛肉の高騰が続いているのです。

牛肉は特殊な生産をしております。
「繁殖」と「肥育」に農家は別れます。
つまりメス牛に種付けをして子牛を産ませて販売する繁殖農家
その子牛を買って、育てて成牛として販売する肥育農家
これは生産現場が違う工程のために、一貫生産すると多大なコストと手間がかかるためです。
その子牛を生産する繁殖農家は、零細農家がほとんどです。
少数の母牛を飼って、子牛を採り販売している農家は、後継者難で、どんどん離農していきます

つまり世界では経済成長で買い負けし牛肉が不足し、国内では子牛の取り合いで高騰している。
というのが現実です。

この現象は、一時期上げ下げが有っても上げ基調は続くでしょう。
一番の問題は、エサが穀物だということです。
地球の人口が60億、あと30年後には90億となると言っております
つまり、こんどは穀物を牛と人間が取り合うことになるでしょう
そんな時に、人間を犠牲にして牛の餌を作るような事が許されるバズがありません。
それは国家ではなく、単なる金の亡者か、食糧を武器にした世界戦略としか考えられません

そうなると短絡的ですが、かんがえられることは牛肉を食べるのをやめる、少なくする。
他の肉に替える。肉を食べない。という選択です。
そんな時代が来るのか…

と思いながら…
そもそも肉食というのは日本は最近の出来事である。
と言って古くからの魚食も、買い負けし、沿岸漁業も衰退していると言う。
中長期で考えると、動物蛋白の補給は悲観的な見方ばかりになってしまうが…

今目先、値段は上がる(泣)
牛肉、食べるのやめますか…減らしますか…