「玄米を、どう思う?」と聞いて
「いや、どういうイメージだ?」と聞き直した。

”肉豆腐定食”を頼んで待っている若者!と言うには、ちょっと歳を取りすぎている
ガス屋の若社長に問うた。
週に1度は、かならず来る。
こびる食堂では、玄米を毎日炊いているが、
すっかり売り切れるときと、
まるっきり売れないときと、安定しないのである。
その原因はなんだろう?と確かめたかったのである。

「そうですね、ちょっと固いかな?でも嫌いじゃないですよ。
ご飯が選べるなら、雑穀米とか、玄米を選びますから…」
「じゃ〜なぜ玄米を選ばないのだ?」
「えっ?玄米をやっているのですか…」

見てみろ!ほら注文するところに…

ほら定食のコーナーに…

ほらメニューにも…

あちこちに書いてある。
しかし、見えていない。

彼は、メニューの文字だけ見ているのである。
彼の眼には「肉豆腐定食」が、今日は有るか?無いか?
だけが判断材料なのである。

彼は言う
「”肉豆腐定食”と書いた文字のそばに”玄米もあります”と書いてあれば選ぶのだけど…」と言い訳がましく言った。
たぶん「肉豆腐定食 玄米も選べます」と書いてあっても彼には見えないだろう

いや多くの人は、なかなか気が付かないのである。
こちらが言うことに…

 

夕方、友人と話していると、おなじみのお茶やお花をやっているいつもの婦人が来た。
「ネコヤナギが欲しいのだけど…」
「あいにくネコヤナギは、今日は入っておりませんね」
「あらそぉ〜残念ね…」と言いながら花を見て帰ろうとすると
窓の外にネコヤナギが植えてある。

てっぺんに二〜三輪、ネコヤナギの花穂が着いている。
「窓の外には、ありますけどね…」
「えっ!どこ?どこ?」
「ほら窓の外です。すぐ手前…」
「どこ?どこ?」
いつも車を停めているところにネコヤナギを植えた。
邪魔なので魔子様は、昨年に枝を「バッサァバッサァ」伐ったと言う
そのネコヤナギが寒い中、実だろうか、花だろうか、ねずみ色にフサフサの綿状のもの(花穂)を着け始めていた。
それが見えない。
「えっ!そこですよ!ほら眼の前、窓のすぐ外」
「どこ?どこ?」
ようやく発見したいつもの婦人は、
「切ったら、だめよね〜」と言う
どうやら、お華に使うようである。

今花屋に並んでいるのは、南国のネコヤナギである。
北国のネコヤナギは、まだまだ、これからである
彼女は、いっぱい花穂がついたネコヤナギを想像して探していたので
上の方に2〜3輪着いているネコヤナギは、見えないのである。

 

人間、見たいものは、見えないのである
そして、伝えたい事も、伝わらないのである

心しなければ…。