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撒いても撒いても、すぐ乾く。
出しっぱなしにしても、止めるとあっという間に乾く
真夏本番である

熱いのでパンツ一丁で寝た。
おかげで下痢をした。

明け方は肌寒い、盛岡の真夏である。
さんさ踊りの太鼓が聞こえてくる。
そんな時は玉蜀黍のシーズンである。

農業に関心の無い頃
玉蜀黍は、秋が旬だと思っていた。
なんと言ったって石川啄木の
「しんとして幅広き街の秋の夜の玉蜀黍の焼くるにほいよ」
という短歌を覚えていたからである

それが夏の作物だと、農業を知って初めて知った。
しかし、それは作られた夏の作物かもしれない
ほんらい作物は「晩生(晩生)が美味しい。本来の味だ!」と言う
つまり玉蜀黍も秋の作物だったのが、夏祭りに売り出すようになって早生が主体になってきたような気がする
枝豆もそうである。枝豆も本来は、大豆の若いものであるから真夏に食べるものではなかった。
「秘伝」と言う晩生の品種が美味いというのも、本来の作柄(晩生)だからであろう
夏のビールのアテに枝豆という食文化(?)を誰が?何時頃から?考えたのだろう

20年前、店を開けた頃、産直と言ってももう一つ客の入りが悪かった。
そんなとき、玉蜀黍を「コーンフェステバル」と銘打って積み上げて売った。
テレビが放映してニュースになり、売上が安定してきた
そんな思い出があるが、当時というか、その前から
「玉蜀黍は朝取り」と言うイメージが大きく広がっていた。
冷気の朝に収穫して農協から冷蔵車で運搬して市場の冷蔵庫、街の八百屋に…
という長い流通経路ではどうしても糖度が落ちる
当時”収穫して6時間で糖度が半減する”と言っていた。
だから街の八百屋では美味しい玉蜀黍は並ばない。
そんな噂が広がって産直が広がっていった。
産直の隆盛は、玉蜀黍のせいだと言っても過言ではない

また都会の繁華街でテキ屋が売っている玉蜀黍にひどいのが多かった。
「馬歯種」という種類がある。読んで字のごとく馬の歯で食べるぐらい固い玉蜀黍である。
デントコーンとも言い、飼料用の玉蜀黍である。
農家の仲間が都会の祭りに出かけたら食べた焼きとうもろこしが馬歯種だった。と呆れていた
”固い馬歯種の玉蜀黍を湯がいて焼いて醤油で濃く味付け”して売っていたのである
なんと言ったって、一本10円もしないだろう、ひょっとしたら、ひと山10円かも知れない。

そんなことがあって朝取りの玉蜀黍を、お客に勧めた。
これがよく売れた。
朝6時頃農家に集荷に行き、8時に店に並べると行列を作っていた。
そして農家もまた
玉蜀黍は、別名「はたけふさぎ」ともいう
農家は作付しない余った畑に。玉蜀黍を作付するのである。
余った畑の草取りをする手間が大変になる。
そこで玉蜀黍は成長が早く、あっという間に日陰ができ、雑草の抑制につながるからである
出来た玉蜀黍は、食べられなかったら近くの畜産農家に餌として刈り入れしてもらえば良いのである。
それが産直で「カネになる」というので、どんどん面積を広げた

今度は種苗メーカーも他社よりも早く出荷できるものを…と早生の開発に手を染めていった
農業に入りたての頃はピーターコーン一色だったものが
ハニーバンタム・未来・サニーショコラ・ゴールドラッシュ・ゆめのコーン等々
後は中小メーカーの育種は、数え知らない
だんだん品種改良されると、本来の味とはかけ離れていく

たぶん本来の味は忘れられていると思うのだが…
昔、小さな頃食べた黒と白のブチ、かすかな甘味の「もちきび」
あれが懐かしい

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しかし、トウモコロシの6時間で糖度が半減するというマイナスは、
品種改良で今は、ほとんど解消した。

わざわざ産直で買う必要もなくなった。