朝起きたら魔子様が言う

「作ってあるお菓子をお店に持って来られないので
カスタードの家にお菓子を取りに行くと言って、非常線を突破して引き取りに来てください」
とお店にお菓子を出しているカスタードさんから電話があったと言う。
「何時頃だ?」
「なんでも三時頃、車が燃えたらしい。あちこちが放火されて人も死んだらしい。怖いね」
「すぐテレビをつけろ!」
「朝の3時のことだから、まだやっていないわよ…」と魔子様は言うが、
もう7時には大々的に報道されていた。

そうなのだ先日某日本薄謝協会のニュースの第一面(?)に放映された、盛岡連続放火殺人事件である
テレビには、お客さんのG大の先生が大写しでインタビューされていた
「大すごい。一躍大スターだ(?)奥さん癌だと言っていたが大丈夫か…」

そんなニュースを見て店に行くと、やってくる客やってくる客みなその話題で持ちきりである
こんな田舎街で、あちこちに放火されて、おまけに殺人事件だと…
なんだろう

昼前にとりあえず商品のお菓子を引き取りにカスタードさんの家に行った
非常線である

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「カスタードさんの家にお菓子を引き取りに行くのですが…」と返品のお菓子を見せると

小生の顔を見て、まるで犯人を視るような不審な顔をした警官は
「あ〜あ、この料理の先生の家ですね。今現場検証で入れないかも…」
と言いながら非常線と言う名の黄色いテープを避けてくれた。
カスタードさんの家は、消防の車などが2〜3台止まっていた。
カスタードさんの車も放火されたようだが、見ると前のバンパーのところが焼け落ちている
「三時頃車が燃え上がって、近所の人がみんなで火を消してくれたのですよ」
と言いながら出荷するお菓子を渡してくれた
「裏の家なんか全焼ですよ」と言う

テレビでは3つの街にまたがって放火があったので、何が原因か詮索しきりだったが
その地域は、だいたいが当店のお得意様だらけである。

 

その翌々日の晩、遅くまで店に残り、仕事をしているとふと見知らぬ男が入ってきた
ような気がした。体はでかいが、肝っ玉はちいさい入道であった。
あわててタクシーを呼び(魔子様と麻子様に車を乗っ取られた。保育園の迎えの時間である)
自宅に向かうと運転手は言う
「いやぁ〜大変でした。ヘリコプターはぶんぶん飛ぶし、ちいさな飛行機が飛んでいるし、
報道関係者がタクシーを使って大忙しで…
おまけに楽天VSオリックス戦で客が多くて、てんてこまいでした」と言いながら
「報道関係者の会話を聞くともなしに聞いていると、最初からわかっていたようですよ。犯人は…」と言う

こんなちいさな田舎町に都会型の大殺人事件が起きた。
そのうちに車が店に突っ込んでくるかもしれない。
怖い世の中だ!