朝、南の入口の大テーブルの前で「どいかやブックフェア」の段取りを考えていると…
一人の青年というか…青年と言うには、ちょっと上の黒いリュックを担いだ若者が入ってきた。
ちいさな野菜畑の南口は、身障者用の駐車場とバス停が有る。

その若者は、小生の顔を見るとぶすっとして、こびる食堂に真っすぐ行った。
食堂で朝定食の準備をしていた魔子様と、何か話している
「納豆と卵と、とろろから選んで…」と魔子様が話している。
”朝定食の客か…”

一段落して厨房の仕事をしていると
「おかわりいただけますか?」と、青年はご飯茶碗と味噌汁のお椀を持ってきた。
「ちょっと待ってください味噌汁温め直しますから…」と言って
味噌汁のガスに火をつけご飯をよそうと…
「この小鉢の野菜は何ですか?」と問う
見ると筋が見えたので「小松菜ですよ」と言いながら
魔子様に確認をしたら首を頷いた

また問いかけてきた
「ご飯のおかわりが自由というのはスゴイですね」
「いやご飯は一杯20円ぐらいですから、どんなに食べても知れてますよ。
パンなどを食べるよりも…
まして一人が一杯余計に食べることで、農家が減反をしなくて済みますし、農村環境もよくなり、水や地域環境の循環にも良い影響を与えますから…」
と言うと驚いたような顔をしておかわりをテーブルに持ち帰った

そのうちにまたカウンターで魔子様と話しをしている
どうやら単品で「芋の子汁」を頼んだようだ。
生卵定食のご飯をおかわりして、芋の子汁を食べて、一生懸命にメニューを眺めていたと思ったら

いつの間にか、リュック置いたテーブルにいない。
店内を見渡すと様々な盛岡の地図が貼り付けてあるコーナーで熱心に地図を見ている
「何を探しているのですか?」と問いかけると
「地図って面白いですね」と言う
「以前通った道を確認しているのですが…県立大学からの道から修道院へ続く道を走ったことがあるのですが…」
「それは、ここですね…、湖のそばの道で。以前は細い道だったのですが…
松園も、昭和40年代中盤に開発された団地で…
盛岡の北の開発っ拠点だったのですね。ところで何年生まれ?」
「昭和53年です」「娘と一緒だ!」
ひとしきり身の上話をしたあと

「この店に来ることが憧れだったのです。
でも歩いても、また自転車では遠いし、ふと地図をみたらバス停が直ぐ側にあるので、今日仕事が終わってから来てみたのです。
いえ夜の7時から朝までの地味な仕事です。いつもチェーン店で朝食を食べてますが、今日は理想の朝めしを食べました。これから帰って寝ます」

と言って爽やかな顔をしてリュックを担いで帰っていった。

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