ちいさな野菜畑開設20年を数え、新しい店の形をつくります
今まで「地産地消」や「身土不二」を唱え、地域の人々が心の通いあうなかで農産物が流れる流通をつくろうと取り組んできました。
ようやく道の駅が、あちこちにでき、農協の直売所も規模拡大し、量販店にはインストア−産直が増え、手軽に地域の農産物が手に入る状況になりました。
また以前は、仲間はずれにされた有機農産物も、認められるようになり、多くの需要が生まれ、農家が直接繋がる流通ができつつ有ります。

全国に先駆けて岩手県が掲げる「地産地消」に、当店が農家と市民をつなぐ街中の直売所、県内の有機農産物の直売所として、一定の役割を果たしてきたと自負しております。
そこで20年目を迎え、新しい店の形を打ち出したいと思います
それは、人口減少社会に向けて、地方都市の新しい流通と地域のあり方です。
歴史上、人口が増えるということで、全てのことがらが考えられてきました。

人が増えるということは、増えた人数分の需要が増加するということですから、物は必要となり、需要が増えて生産が増えます。人口に見合う分だけの生産が行われれば良いのですが、増大した生産は止まりません。必然的に世界へ向けて生産・販売されていき、世界をターゲットにしたグローバル化が叫ばれるようになりました

しかし、その拡大する経済を支えているのは、枯渇する天然資源の石油です。
ところが科学技術の発達は、石油資源の枯渇も克服すると思わせる様相を呈していますが、東日本大震災の原発事故以来、科学万能の社会に警鐘をならし、疑問を抱く人が増えてきました。

そこで「江戸時代の循環型社会に戻ろう」と言う動きが出てきました

江戸時代にもどるのではなく、循環型社会へもどろうという動きです
それは単なる物質のリサイクルではなく、生産と流通と消費が一定の循環する成長しない社会なのです。

日本は、欧米のような安定した気候の乾燥地帯ではなく、嵐が吹き荒れるモンスーン地帯で、助けあって生きるというコミュニティが生まれました
また細長い島国は、平坦な地形は無く、山と海と陸の組み合わさった複雑な地形を生み出しており、一箇所として同じ気候風土が無いと言っても過言ではありません。そんな地域の自然は、暮らす人にとって当たり前のことでも、ひと山越えれば、違う気候風土の中では違う発想がうみだされます。
青森と岩手の言葉がわからないように、そして岩手でも県南と県北と沿岸部は、風土も風習も違います。
それを我々は、一方通行のマスコミや、学校教育の共通語で話すことによって一定の理解をしているように思っておりますが、真の理解はできていないような気がします

もう一度、同じ風土に住む人々が、深い理解と、真の理解を…
そして狭い地域で深い関係性をつくることが、人口減少社会の地域と交流のあり方ではないか?と思う次第です
そして、また隣のむらの違いを理解する深い理解を…
循環型社会の基本は、農林水産業です。
なぜなら単位面積あたりの生産量は限られており、生産は増大しません
農業は生産技術の発達で、単位面積あたりの生産量は限界まで伸びました。
林業は、皆伐と手入不足で森は荒れ、水産業は乱獲で水揚げが減少しております
それをもう一度、永続して循環する生産のちいさな営みが、あちこちで行われるようにすることが、地域で我々の目指すところではないか?
地域の人々がもつ様々な智慧を出し合って、もっと深い関係性のつながりの中での交流が必要ではないかと考えます。

そこで、ちいさな野菜畑では「つなぐサロン」と称し、一人ひとりの顔が見え、言葉を交わすことができる、深い交流の中で、問題意が語られる場を目指したいと考えております。
ちいさなサロンですが、深いサロンです
多くの人が集まるイベントにはない、心の交流を積み重ねていきたいと考えます

その中で語られる氣づきが、新しい地方の叡智となり、次の世代につながる智慧となるように願っております。
人と人が、単なる知り合えるサロンではなく、「深くつながるサロン」
 

そんなことを、二十年目にして考えております