郵便局で順番を待っていたら、携帯がなった
画面が指で動かない、それでもカメラ機能がついている携帯電話の画面を見た。

見知らぬ電話番号だった。

恐る恐るでた
「もしもし…」

「こちらケアマネですが…。」認知症の母の担当ケアマネである

 

生協の近くを、お母様がふらふら歩いていらっしゃって…
声をかけたら”2番目の息子の家に行くところだ…
場所がわからなくなった。4丁目はどこ?」
「おかあさま!4丁目は逆ですよ。車で送ってあげます」
「どうしようかと思って…、天使に出会った。嬉しい」
そういうわけで自宅に送りますが、
このまま一人にしておいて、よろしいですか?

 

という電話だった
一瞬、なにがなんだかわからなくなった
認知症の母は、股関節が悪く杖をつかないと歩けない
杖をついて長い距離を歩くはずがないと想っていたから、
なんのことだろう

小学校までは激しい車の通りをわたって、1キロはある。
あの歩き方では30分はかかるだろう

それをこの真夏の炎天下に歩いて行く
信じられない
まして担当のケアマネが、それを見つけるという偶然
なんだか狐につままれているようだ

 

とりあえず郵便局で残った処理を断って、自宅に戻った
母屋の玄関では、母とケアマネと二人で待っていたのだが…
「玄関の鍵がない」と言う
いつもの手提げのバックを持ってでたが、その中にも鍵はない
裏口から出て行ったのか?
鍵をどこかに置き忘れたのか?

汗をびっしりとかいた母親は
「本当に天使に出会って…」

よかったね!ペテン師に出会わなくて…

 

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今月号の文藝春秋は、認知症11人の「告白」
”認知症は病気ではない、徘徊には目的が有る”

徘徊は「こんなところにいたくはない」と言う意思表示だという
できれば日本を出て、世界を徘徊したいと思う入道であった。