作家の島村菜津さんが”岩泉に呼ばれた”と言って、和尚と一緒に来た。
これで三回目だろうか…
島村菜津さんは「スローフード」と言う言葉を、最初に日本に伝えた人だ
スローフードの本場は、イタリアだ。
菜津さんは、イタリアに留学してスローフードを知ったらしい。

いまでこそスローフードやスローライフ、「スロー」と言う言葉は、もてはやされているが、それまではあまり一般的ではなかった。
いや日本では「有機的生活」や「郷土料理」などと言われて一部の人のものとして、ほそぼそと伝えられて来たのかもしれない
しかし、それはどちらかと言うと「前時代的」とか「物好きな…」という意味合いであったかもしれない

そんな菜津さんは「この店は何を基準にして品物を選別しているの?」と聞いてきた。
彼女が最近出版した「スローシティ」の最終章に書いてあるジロロモーニのパスタソースが並んでいたからである。

ジロロモーニは、イタリアの有機農業の先駆者である。
菜津さんの言うところによると、アドリア海を望む高台にある素晴らしい農場と言う

ジロロモーニの実家は、日本の前近代的農業(?)の有畜複合小規模経営の農家であった。
牛を飼い、鶏を育てて卵を取り、ぶどう畑でワインを製造し、さまざまな野菜を作った。
その彼が様々な有機農業の組織を作りながら、イタリアの有機運動が規模を広げていった。
日本は有機農業の耕地面積が1%未満だが、イタリアは世界で一番の面積になったのは彼の功績が大きいからだろう
そんな彼の顔を貼り付けたジロロモーニ協同組合の商品が、当店に並んであったのである

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菜津さんの問いに

「いや買う人がいるから…」としか言えない自分が恥ずかしかったが…
そのパスタソースは、置いておくといつも無くなるのである
いったい誰が買っているのだろう?
そして店の一角にある一連の秘伝の商品を見て「醤次郎」を買い求め
「”たいこばん”を旅館の朝食に…」と小生がさしあげると…
「美味しそうな納豆ね。じゃ〜明日帰るときに、また買いに来るわ〜」と言いながら岩泉の講演に向かった

 

翌日、朝から待っていても来ない。
閉店間際まで、音沙汰が無い。
”たぶん被災地の三陸を見て釜石経由で帰ったのか…
もう閉店の準備をしなくては…”と思った頃、
さんざん岩泉のあちこちを引きずり回されて、やってきた

「たいこばんは?」と菜津さん
魔子様「本日、売り切れ!」

最近、売れているのだよね。まとめ買いがいて…
いったい誰が、まとめ買いをしているのだろうか…