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カツオである。サザエさんちのカツオでは無い
「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」のカツオである
新緑の頃のホトトギスが初めて鳴く頃に、食べるカツオの旨さというか、
何が何でも他者よりはやく食べようとする江戸っ子の意地を言うのだろう

そんなカツオバーティをやった。
魚屋の若女将は
「カツオは、今は高い、旬の前の走りですよ」
「8月になったら気仙沼あたりにどんどん上がるから、美味しいのですが…」
「まだ脂が乗っていないから…」と出し渋った

「”高い”と言って、どれだけ高いの?」
「マグロと一緒ですよ!」
「へぇ〜そんなに高いの?」と言いながらも「8人前」と注文すると
「やはり、一周忌でしたか?」と言い
「箸を持って食べようとする間際に刺し身を持って行ってね」と付け加えた
そういいながら若女将が小さな頃から30年間通った、こうさんを懐かしんだ。

こうさんが連休中に亡くなって、一年が過ぎた。
連休のバタバタを過ぎ、日本で2番目の横丁居酒屋(桜山界隈)の「みかんや」で一周忌をやった。
献杯は、安物のチリワインである。
ワイン好きのこうさんが、文句も講釈も言わないで「美味しい」といったワインをグラスで呑んだ

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江戸っ子の”みかん”は言う。
「なぜか”こうさん”というと、鰹だね」

たぶん柵取りで買ったカツオを、こうさんは自身で分厚くさばいたのだろう
あの本棚の前の座卓に出てきた時の、鰹の驚きを忘れられない

江戸っ子は4月にならないと初鰹は解禁にならなかったが…
岩手はホトトギスは遅いが、青葉の頃の鰹は、やはり5月は走りのものである

魚屋の若女将は
刺し身を手渡しながら
「ほら脂が乗ってないでしょ。岩手は7月か…8月ですね。旬は…」

初鰹をもとめる健啖家のこうさんの想い出を語り尽くした一晩だった。