IMG_0072毎朝、玄米おにぎりを作る。
朝、店に出ると、すぐ浸漬した玄米(キラホという無農薬の低アミロース米である)を圧力釜にかける
ストーブに火を入れる段取りをしていると、時間がかかるからである。
以前は、なんとか玄米を前の晩から浸漬しないで炊く方法をさまざま試してみた
炊けることは炊ける。しかし、もうひとつだ。

やはり一晩十分に水を吸わせて高圧で炊くと、
「えっ?これが玄米?」と言う、もちもちの玄米ができる

圧力釜は、短時間で炊けるというが、実際に火が点いている時間は短いが
減圧して蓋が開けられる状態になるのに時間が掛かる
加熱して15分、弱火で15分、開けられるまで15分だが、そのあと蒸らしに15分とってある

合計で1時間である。その間、15分毎の作業を細かく重ねる
ストーブの火入れや、店舗の掃除やトイレ掃除、商品の補給等々

 

ふと気が付くと梅さんの声が聞こえる
「さぁさぁどんぞ、どんぞ、ストーブでぬくたまって」
こんなに早くと言っても開店時間の8時だったが…
メガネを掛けたサラリーマン風の長身の初老の男だ

男は、ストーブのそばに寄るなり
「ラヂオもりおかで広瀬隆が…フクイチの屋根を解体して証拠隠しが…
堤未果が…原発の再稼働はおかしい」
「この店は、以前むのたけじの懇親会の時に…きたことが…。
復興大学はサボってばかりで…」
「釜石出身で…東京で働いていたが辞めて…」
「メタボ対策で、歩いてここまできた。」
「あちこちでテモト(土木作業員?)で働いてきた」

脈絡のない話が次から次へと…
聞きながら、相槌を打つとますます乗ってきた
このひと”人に飢えているのだ。話をしたいのだろう”
とそのまま話させるままにしておいた。
ストーブのそばで、小一時間は喋っただろうか?
玄米のお握りの次に赤飯を炊かないといけない
その準備にストーブの側を、梅さんに任せて、はなれた

釜石の高校をでて27歳の時に公害企業から金を集めて被害者に分配する組織に努めて面白かったが
パワハラにあってやめ、それから故郷岩手にもどって職を転々としている。
「高校の時に”むのたけじ”が来て講演をしていった。
「世界文学全集を読みなさい。人生が変わるよ!」と言われたことが頭に残っている。

今58歳。独身。人生が変わったのだろうか?
「この店は敷居が高かったのですが、これからちょくちょくきますから…」と言って
値引きしたコメを買っていった。