月末の買いだめの影響か、覚悟していたがやはり客は少ない
そんな中、二人が入ってきた。

久しぶりに、やってきた夫婦である
アイガモ農法をやっている。と言っても8畝(はちせ=はっせ)である
8畝と言うと感覚的にわからないと言う人が多いが…
一反分が10畝だから、一反分の80%である
一反分がわからないという人が多いが…
一反分は300坪である
そんな大きな面積は、感覚的にわからない
と都会のウサギ小屋に住んでいる人がよくいう

300坪は600畳だ!

そんな感覚はどうでもいいが…

一反分で米の収量が500kg、岩手の平均収量である
それがこの夫婦は、120kgしか採れないと言う

田植えはいつ?
元肥はなに?
植え付け本数は?
追肥は?
品種は?

次から次へと矢継ぎ早に聞き出した

よく聞いてみたら、10年以上まえに流行った
奈良の川口由一さんの農法を後生大事にしているのである
当時ビデオが出まわって、一時はやった。
小生のところへも来た。「荒れ果てた田んぼを貸してくれ」と
「無理だ!」と言っても
「大丈夫」という答えしか返ってこない
それから、一〜二年で、その話が消えた
まだ、あの農法をやっている人がいるのだ

奈良の川口さんは、蓄積が有るのである
蓄積のない人がやっても無駄なのである
その農法をやってきた夫婦は、10年続けてきたということは、10年の蓄積が出来たということである
それは土に対する蓄積である
ひょっとしたら今年あたり、少しは収量が上向くかもしれない

この夫婦に、二つアドバイスした。
稲株の間隔を狭く植えることと、生わらを田んぼに入れないということを…
上手く行けば360kg〜400kgは採れるだろう

「隣農業」ということばがある

勉強もしないで隣の農家がなにをやったか。それを見て同じことをやるのである
意地悪な百姓は、「リン酸」の袋を振りながら、中は「窒素」をふる
そして真似をする農家の失敗を喜ぶ。
そんな話がまことしやかに言われたが…

隣の人がどれだけ努力をしたか?
そして、どれほどわかってやっているのか?
それをわからないと、隣の真似をしても難しい
若い人たちが、どんどんいろんなことをやっているが、所詮、隣農業である

失敗を重ねて蓄積するには、まだまだ時間がかかる

それが農業の面白さであるし、難しさである

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