海苔をもらった。単なる海苔ではない
”なま”である。
息子の嫁の実家からもらったという

海苔は、深い思い出がいっぱい詰まっている
大体、海苔は子供の頃、高価なおかずで、めったに食べることはかなわなかった。
その香ばしい磯の香りは、憧れだった
一枚のあぶった海苔を、八つ切りだろうか十六切りだろうか?
”かぁちゃん”が手でちぎってくれたのを、じっと見ながらこぼれかすが落ちるのを拾ってご飯にかけた
なんで乱暴にそんなにちぎるのだ!
はさみで、そっと切ってくれ!

と思ったものだが…
そんな小片を醤油をたっぷりつけてご飯を包んで、何杯もおかわりをした

そして中学生時代、弁当に海苔を敷いている友人を見ると驚愕の驚きだった!
「羨ましい」
しかし、その下に二重に敷いてある海苔弁は、
「絶句!」

また社会人になって最初にホカベンに行った時の海苔弁は感動した
”こんな値段で海苔弁が…”

のりと言うと乾燥した海苔だったが
高校生の頃からか三木のり平の
「江戸むらさき」が出てきた
あれはあれで、まぁまぁ甘口の佃煮だな?と思っていたが

結婚する前に魔子様の実家に行った
実家は、江戸湾に面した海辺である
ようするに元は江戸のハズレの漁村で、今は住宅密集地という下町である
そばには多摩川河口が有り、大きな工場群が煙をもくもくとあげていた

その実家で出てきたのが「しゃこ」と「のり」である
「しゃこ」はボールに山ほど
寿司で一個か二個、つまんだ経験があるが…
こんな山のようなしゃこは…(絶叫)

「のり」はまっくろい塊が…
生まれて初めてみた「なまのり」である
海苔というのは、ペラペラの乾燥した…
えっ!これは煮てあるじゃん!

IMG_0393あの乾いた海苔を、煮たのだろうか?

なんでもったいない!と思いながら口に入れた
衝撃!あのしょっぱい醤油味ではない
さわやかな海の香が口いっぱいに広がって

まるで太平洋に牛蒡だ!(意味不明)

そんな海苔を、ちいさなころの魔子様は海辺の岩から採るのがお手伝いだったという
なんという贅沢
なんという阿鼻叫喚(?)

40を過ぎた頃だろか、上野池之端の藪そばで、昼酒を呑んだ
つまみは当然、あこがれの焼き海苔である・
その焼き海苔は、木箱に入ってきた。
引き出しを開けると海苔が何枚か…乗っていた、その下には炭が熾してあった
ふと、海苔をむしゃむしゃと、たらふく喰って酒を煽るように呑みたいと思った。