一人暮らしを始めるために乗った汽車からみた車窓は、暮らしてきた風景とは違った。
”光かがやき希望に満ちた”と言う風景ではなかった。
不安と、たよりなさに潰されそうな、山が近い灰色の風景だった。
着いた高崎駅は、人混みにあふれていた
売店には見慣れないものが一杯ぶら下がっていた
緑のものや丸いもの、刺し身で食べるもの…などなどがぶら下がっていた

蒟蒻(こんにゃく)である

蒟蒻というと、あの灰色の両毛線の風景と駅の売店を思い出す
4年しか居なかった群馬県は、短い経験から言うと「うどん」と「こんにゃく」である

群馬は畑作中心の小麦文化圏であり、うどん文化圏であった
初めてアルバイトをした時に上司が自宅へ呼んでくれて「おきりこみ」を食べさせてくれた
それは山梨の”ほうとう”のような煮込みうどんだった
先輩の彼女の実家では
「昼は、うどんにすべぇ〜」と言って母親が、庭にむしろを引いて足でうどんを踏んだ
そんな、うどんの小麦文化なのだが、麦秋という風景と言葉は岩手で知った

じゃ〜蒟蒻は…と言うと駅の売店に、土産としてぶら下がっていた記憶しかない
食べた記憶も無いが、ほとんどの国産蒟蒻は、群馬が生産地だという
下仁田は下仁田ネギが有名だが、蒟蒻も産地だという

そんな蒟蒻の粉を下仁田から取り寄せた
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デンマークだか?オランダだか?ベルギーだか?
なんだか、その辺に仙台から修行に行っているシェフが、「使ってみたい」と言う

蒟蒻芋は、使えるまで三年かかる。
種芋を植え、翌年掘り起こして、また春に植え直す。
それを三年から四年繰り返して大きくする。
そんな生産方法を編み出した人も偉いが
芋からあの蒟蒻を製造したという人も、えらい。

しかし、よく考えてみたら蒟蒻というのは、日本だけの食べ物なのか?
そんな偉い人達が作った蒟蒻を、外国人が食べられるようにしようとするシェフも偉い