田中清憲の奥さんは、絹さや畑である
朝から暑い日差しの中、しゃがんだりたったりしながら、表を見、裏を見、ちいさな絹さやをかごに入れる
「採りきれない」と嘆きながら
「お父さんは、早いから豆が入る」
どうやらお父さんは、収穫が早いが見逃すのも多く、豆が大きくなるということらしい
絹さやは、さやを食べるので、豆を食べるわけではないのだ
しかし、大きくなった豆が入っている絹さやも、それはそれで美味しいのだが…

「採りきれないなら、面積を少なく植えたらいいのに…」
「それではロットにならないし、面積から収穫すると売上が…」
農地面積が少ない農家は、絹さやや果菜類などの土地利用型でない作物を選ぶ
いきおい体を細かく動かさざるをえない
面積があるところは、大根やキャベツ、白菜などの大規模圃場の作物を選ぶ
それはそれで大型機械や、収穫の人手が必要になってくる
いきおい財布の中身を動かさざるをえない
 

「だんなは?」
いつも二人で作業をしているのに、だんがな見えない
「ピーマン苗に水やり!」
「さっきハウスには、いなかったけど…」
「ハウスではなく、植えつけた畑で…水不足で苗がしおれて…
周りの田んぼでは、川からポンプアップしているが、川の水も足りない」