店の前を行くと、海に突き当たる、太平洋だ。
その手前は、岩泉という街がある。
そこに行くまでは高原であるが、人造である岩洞湖がある
なぜそんな山奥に湖なぞ?
この湖の水を北上川対岸に引っ張って農業用水にするために作ったと言う。
壮大な公共工事である。
本来は畑作・酪農地帯だったのが
おかげで岩手山の山裾は稲作が出来るようになった。

そして岩洞個では冬厚い氷が張り詰めワカサギが釣れるようになった。
なんと言っても本州で一番寒い藪川という地名が岩洞湖のそばにある。
マイナス20度などは常のことである

そんな岩洞湖のレストハウスでは釣ったワカサギを買い取ってくれるという
またワカサギのフライ定食を名物にしているという

そういえば当店の前を通っていくのだから、当店で買い上げてフライにしても…
そんな話を整備工場の人間と話をしていた。
「こんど獲ってきてやるよ!」と不断は無口なのだが、笑いながら人なつっこい笑みを浮かべた

彼とは店を始めてからの付き合いだから16〜7年になるだろうか?
どこで故障してもすぐ飛んでくる奴だった。
と言って無口なのであんまり話をしたことはなかった

その時は、なんとなくどんな生い立ちか?なぜ整備工場にいるのか?
そんな話を長々として行った。
車を整備しながら,春の山菜採り、夏の川魚、秋の茸、冬のワカサギと岩手の自然を満喫していた

そこの整備工場の事務員が集金にきた
「ミカミさんが亡くなって…」「えっ?」
「岩洞湖のワカサギを一人で釣に行っていて、くも膜下出血で…翌日、発見されました」