「ゲポッ」「ギャッポ」「ゲェッ」「ギャァ〜」

なんだかすごい、うめき声が聞こえる
大分苦しそうだ。看護婦の声が聞こえる

「もうちょっとですからね。頑張って。大丈夫ですよ」

病院の内視鏡室である。
終わって出てきたのは、70前後の老人だろうか?
ずいぶん派手に、わめいていたが…

今日は、バルーン拡張の日である。
もう何回もやっているので、気は楽であるが…
順番が、こんな人の後にやるのは、少し気後れする
ひょっとして今回は…自分も…

ベッドの上で、丸まって待つこと30分
「お待たせしました」と言って、ひげ面の医者はやってきた
「どうでした。三週間空けて…」
いままで二週間に一回、バルーン拡張をしてきた。
前回から、「三週間に一回にしよう」と小生が提案したのだが…
やはり三週間目には、二回ほど食道部分(食道を取ったから胃なのだが…)に詰まっている感じがした
 
 ようするに手術痕で狭窄している部分に、食べ物が溜まって胃に落ちていかないのである。
 感じとしては、胸が重苦しい。
 いかにも「詰まっている」という感じなのである。
 飲物を飲みながら、一回あたりの食べる量を少なくしながら、よく噛んで飲み込んでやる
 食べることに気持ちを集中することが大事なのである。
 
 だから朝の気ぜわしい時は、ゆっくりと食事が出来ないので、スープだけ
 昼は、客が来たり、電話が鳴ったり、で詰まらせると大変なのでスープだけ
 ようやく夜は、自宅でゆっくりと汁物や、やわらかくなった鍋物の具などが胃の中に収まる
 一杯やりながら…
 今回は、三週目に気持ちの良い会合があった。
 ゆっくりと、だらだらと、もっきりをやっつけながら、食べたつもりだが翌日から詰まってしまった。
 それが治った、と思ったら、また詰まった。
 
三週間に一回は、やはりまだ無理か?と思いながら。口を開けて胃カメラをくわえ込んだ。
医者は胃カメラを押し込みながら、難しい顔をしている
そして「カメラは通るね。」と言いながら、あっさりと引き抜き始めた
「食道部分が出血しているから、粘膜を保護する薬を出しておくから…」
そして「貧血じゃない?」と瞼をひっくり返して
バルーン拡張は、しなかった。
 
今まで1.5センチの胃カメラも通らなかったのが、胃カメラが通るようになっているのである。
三週間目に詰まった食べ物を飲み込むために、いろいろとやったことが功を奏したのだろうか
しかし、朝から液体しか喉を通っていないのに、食道部分が出血をしているというのは、固形物を食べた昨晩からか?
 
「前日夜9時以降、飲食物は、一切呑まない食べないように…」と言う指示が出ているが…
”そんなのは胃の中を見るからだ。ワシの場合は胃の中までカメラが通らないのだから…”
と言って、遅くまで、だらだらと呑んでいるからだろうか?