あるとき、若い従業員が「炊こうと思って水に浸けたのだけど…」と炊くチャンスを失った浸漬した米を見せに来た。
そういえば何かの本に「ある有名店では浸漬した米を水切りして冷蔵庫に入れておく」というのが有ったな?
しかし、別の本には「水切りして長く置くと、米が割れる」とも書いてあった。

どの程度問題があるのか?一度やってみよう

朝定食を始めたが、問題は出勤時間である
洗米し、浸漬し、米を炊いて、蒸らして、食べられる時間が8時にすると(8時開店だから)少なくとも6時半には、店に入らないと行けない
逆算すると朝起きるのが、少なくとも5時になる。(起きてから始動するまで、色々と手間取るのである。決して化粧が長いわけではない)
コレにblogを書く時間を入れると…4時半には起きないと…

早起きは苦にならない。昔、鍛えられた
独身時代、宝塚の山奥から毎日6時に寮をでてバスに乗り、8時に会社に着いた。
東京時代、呑みすぎて社宅に帰らずに会社に明け方行って、そのままソファーで寝て起きた。

しかし、もう歳である。「年寄りは朝が早い」と言うが…
早く起きても、ちょっとした文章を読むような時間の余裕が欲しいのである。

炊飯の中で時間を取るのが「浸漬」である
「水に浸けて時間をおく。少なくとも30分」という
なんとなくこの浸漬時間と、最初の洗米が、炊飯のポイントではないか?と思っている
最初の洗米!
つまり、玄米が15%前後に乾燥しているから最初に水で洗うときに勢いよく吸水するのである
つまり糠を取ったつもりでも、白米にへばりついている糠までしっかりと米に取り込んでしまうのではないか?
だから白さがもう一つで、糠臭いご飯ができる
だから最初の洗米は、如何に手早く、そして、そのとぎ水を如何に早く捨てるかが勝負である
かまの中に入れてちゃらちゃら洗うような洗米ではなく、ざるの中で勢いよくざくざく洗わないといけない

浸漬
コレは調理の基本の「均一」ではないか?
炊飯するときに、どうしても上と下の米には温度差や圧力差が生じる
それを均一に熱を伝えるのが、水分ではないか?
米に均一に水分を吸わせることにより、熱伝導が均一に伝わる
調理の基本は、均一である。
だから「焼く」という技術が一番難しい
焼き魚など焼く物が均一の形になっていない。火が均一に物に当たらない。
「煮る」は、水分を通して均一に加熱する
「揚げる」も油を通して均一に加熱する
均一に焼くというのは、加熱する火が均一に当たらないだけに難しい

「炊く」は、”煮る”と”焼く”と”蒸す”が一緒になった表現である
その時点、その時点で、均一性が求められる。
「羽釜炊き」という技術は、その形状から均一に熱が伝わるようにできており
それを助けるのが浸漬ということではないか?
そんなことを考えると、浸漬もおろそかにはできない
そういうわけで、朝に米の浸漬時間をきちんと取ってきた。

ところが前日に洗米して浸漬まで済んでおけば、朝は7時に来ても間に合うかも?
という訳で炊いて見た。

   

結果は上々である
”かに穴”まできっちり開いている
「かに穴」とは、お釜の下から蒸気が通った跡である。
均一に蒸された証拠である。

味も違いが無い。これで行こう!
これで朝の出勤時間を、30分遅らせることが出来た。