囲炉裏端の黄梅が、咲き始めた。
980円でホームセンターで買ってきた物だ

炭火の温かさで、咲き始めたのだろうか…
それとも春をいち早く告げようとしているのだろうか?

そんな夕方、武田哲が、米を配達にきた

「おめでとうございます」
「あれ?今年初めだっけ?」

もう二週間も経っているが…初めてらしい
武田哲は、稲作専業農家である。
合鴨除草で無農薬の米を三種類作っている
ひとめぼれ・あきたこまち・ささにしきの三種類だ
その他、酒米の美山錦をつくり、南部美人酒造で「芳梅」という酒にしている
今話題の桜山の芳本酒店が企画した酒なので「芳梅」という名にしているのだろう

「今年っす、地域の自治会の青年部で通学路の除雪をするでっす」
「4月の地方選に、出ることにしましたが、自治会長にごんぼ掘られて…」
「ラグビーをやってる息子に頑張れと言っているのだけど…」
「300袋米を出荷したけど、通帳に13000円しか残らなかった」
「今の民主党をみていると、末期の自民党と一緒だ」
「所得補償の手続きが、遅れて支払いが…」

とりとめのない話が続く。
黙って聞いて、相槌をうつ

農家は孤独だ。話し相手になるだけで、気がすむのだろう
米代を支払ってやると、短角を大量にいつも買っていく
「みんな短角が好きで…」