「今日は特別な日だから、遅れないでください」という弁当の注文があった
十分に準備をして、お品書きをつくり、指定時間の15分前に着いた

シーンとした構内。車は止まっているが人影が見えない
指定された裏口の守衛室に行く
「弁当をお届けに来たのですが…S先生は…」
「ちょっと待ってください。」
電話をかけようとして、彼はその手を止めた
「今日はちょっと特別なので…、約束しているなら待って頂けますか?」
「はい、あと少しですから…」
「じゃ〜来るまで、待っていてください」
「わかりました」
弁当を荷台に移して
そばにある各部屋の郵便受けを眺めたり、
”今日は岩手山が見えないなぁ〜”とつぶやいたりしていると、
彼は
「あの〜来るまで、待っていて欲しいのですが…」
「ええ待ってますよ。別に構いませんから…」
彼は困ったような表情で、
「あの〜車で待っていてください、今日は特別なので…」