「今日は弁当じゃないの?」と
ほうれん草を洗っていた田中清憲は、聞いた

いつも集荷で岩手町に行くときは、午前中なのだが…
弁当の注文があると、配達時間(11時半とか12時とか)が指定されるので、集荷が午後になる
その前に。集荷に行ければ良いのだが…今度は農家の用意が出来ていない
と言う事で弁当の注文がある日は、弁当の配達が終わってからの午後の集荷になるために、
農家も、準備する時間がたっぷりと取れる。


「いやぁ〜今日は、タイヤ交換で…工場が混んでいて、今頃になった」と言いながら
「この剣葉のほうれん草は、何の品種?」と聞くと
「タキシード」という
「へぇ〜燕尾服みたいな名前だね、タキイの品種か?」
「いえ、岡山のナント種苗です。イチゴの栽培指導にきた人が、これを薦めたので…
ちょうど今頃、出荷できる品種で。肉厚で、甘いですよ」
「このへんは、みんなこんな品種を作ってるの?」
「いやぁ〜うちだけですよ。出荷用ではないですから…」

農家の自家用は、自分が食べて美味しい品種を作ります
出荷用という、農協へ出荷する品種は、農協が品種を指定します
「病気にかかりにくい、量が採れる、作業性が良い。見た目が良い。日持ちがする。」という基準で…

「美味しい」という基準は、たぶん最後の方に入るのでしょうか…