昼時に「昼食と一緒に話が聞きたい」とグループがきた
いつも午前中に通る見慣れた風景が、今日は午後の集荷になった。
西日の当たる岩手山が、すてきな曲線を見せた

見学者は、以前関係していた会社の人が就農して、仲間を誘って見学に来た物だ
その関係していた会社というのは、大手企業の地方工場である。
当時は,飛ぶ鶏を落とす勢いで、現地社員も一流企業の社員みたいなプライドを持っていたが…
30年近く経って「あの人どうなった?あの人は?」と当時の人の消息を尋ねながら…

「あの頃は、良かった。ピークだったんじゃないか?今は…」と彼は嘆いた

しょせん誘致企業である。根っこがない。
海外へ進出して、国内の地方工場は人員削減、どんどん業務を縮小、そしてある日無くなるのだろう
彼は定年前に見切りを付けて工場を辞め。今は農事組合法人の専務理事をしている
「結局農業法人は、補助金がないと成り立たないよ!」と言いながら「辞めて良かった」と言う

 

その夜、ある銀行の夕食会に出かけた。挨拶に来た銀行の幹部は
「”これからアグリビジネス”とシンクタンクの識者が講演で言っていた。ワンランク上の商品を並べて…」と
「基本的に農業生産はお天気商売ですから、ワンランク上の商品は、量産できなくて売上のボリュームアップに繋がらないですよ…」
農業生産の現場を知らない人が、語ることで金儲けができる、それが農業関連産業である

「飲み放題ですよ」という行員の勧めだったが、ビールをちびちびと呑んで、時間を過ごし独り、今問題の桜山へでかけた
薄暗い昔で言えばアングラバーのような、隠れ家のようなジプシージャスの「クロスロード」でハイボールを3杯、そして
細い露地を通り

美味しそうな居酒屋の前を過ぎて「みかんや」に行った
二組の客がいたが…
一組とは「農業と経済」「拡大する商品経済と拡大しない農業生産」の話を
一組とは「自殺と農業」という深遠な話になった
「自殺防止のための心やすらかな農業」「貨幣経済偏重からくる人間関係と不安」
「就農の問題と、きっかけ」等々

一日中、農業の話をしていた。
そんな酔っぱらいの一日だった。