日本兵が来た。
いや、北海道の日本兵だが…
じゃ!  屯田兵か?
そうでもないらしい

机に座ってパソコンをいじっていると、目の前にマントに略帽の若者がいた
日本兵に弟がいるが、まさか〜弟まで、こんな格好はしていないはずだ
「日本兵の知り合いか?」というと
「えっ!」という
「岩大に日本兵と言うのがいて…」
「はい知らないけど、知っています」
どうやら会ったことはないが、ネットで知っていると言う事らしい
「まず座れ」と言って、珈琲を入れながら、いろいろと話を聞いた

どうやら北海道の農業系の大学の三年生らしい。
これから農業の道を進みたいが、どのような道に進むか迷っている
畜産は動物に愛情が移り、仕事にならない。出来れば野菜をやりたい
千葉の落花生農家には、話を聞きに行ったことがある
北海道では、農家の手伝いでいろんな仕事をした
両親は就農することに賛成している。両親も一緒にやろうとしている
サラリーマンには向いていない。自然の中で身体を動かして仕事をしたい
小さいころ食べるに困って、農業であれば喰うことにこまらないと想っていた
インターネットを見て、ちいさな野菜畑を知り、フェリーに乗りバスで着いた
ここが目的地だ。

そんなことを、こちらの質問に、一呼吸置いて、ポツリポツリと答えてくれた
北海道の農業は、土地利用型農業である。
なんせ、農業が出来る季節が短い。それに販路が遠い。
いきおい大型農業機械を使って,大量生産して、輸送費を安くする
そのために機械代や肥料代。農薬代、それらを保管しておく倉庫や作業小屋、農機具倉庫等々、多額の費用がかかる
以前、北海道の農業を見て回ったことがあるが…
ほとんど大規模の単一栽培で、延々と同じ風景が広がる
そして自給用の畑は見あたらず。道の駅にも種類が並ばないし、野菜を売っていないところもある

そんなことを思い出しながら”なんとアドバイスしてやったら良いのだろうか?”と悩んでいると
鳥取へ帰る農学部を卒業したイタリアンシェフが、「もう帰ります。挨拶に…」とやってきた。
紹介しながら
「農業には様々な可能性が有るから…料理や加工や販売など…。
とりあえず離農した農家などの土地でスタートしながら、常に疑問を持って取り組む事だよね
農政に左右されるのではなく。基本は耕して食べていくことだし、その回りの関係性の世界を作ることだ
そのうち温暖化で北海道が主力の産地になり、従来の大規模農業のスタイルも変わるかもしれない」と言うと

「ジャガイモが野生化しているのですよ」と突然彼は言った
「ジャガイモは、一日一畝700メートルぐらいしか掘れないのですが…
収穫で掘り残すと、従来は冬に死んでしまうのですが、最近は越冬するのです。
翌年ビート畑にしたら途中からジャガイモが芽を出して…邪魔になるのです。」
こちらはジャガイモなど商品作物ではないから、自家菜園に春、芽が出てくれば歓迎だが
北海道は、機械が使えなくなるので、邪魔者以外の何者でもないのだろうな〜

彼は「そのジャガイモで、自分の食べるカレーぐらいまかなえますが…」といい
「これから帰ります。バスの時間が…」と言ってドイツ軍の背嚢を背負って北海道に帰っていった。