水沢の菅原文也が、コメを持って来た
「今年は、どう?」
「回りの家は、カメムシがひどくて…。うちは少ないのですが…。粒が小さくて…」
「天気が良かったから、粒は大きいのでは…」
「登熟期に、田んぼに水が入れられなかったのです、水不足で…」
「胆沢ダムが機能しなかったの?」
「いやそれ以上に水不足で…水が溜まりませんでした。それで取水制限があって…
 水を入れる時間や日まで指定されて、その時間に家にいない人は水を入れられないのです
 それでもうちは、収量は平年並みでした」

田んぼに水が入っているの、が当たり前であるが、
収穫時まで、水を張っておくと土が軟らかくて収穫のコンバインの重量で耕盤が壊れる
ところが稲の登熟期は、水が欲しい。
そこで、水を切るタイミングが難しいのである
そして天気である。切りたいときに雨が続き、欲しいときに雨が降らない
 今年は酷暑で胆沢ダムが水不足になり、農業用水路に水が無い状態が続いた、と言う事である
登熟期の水不足は、粒がふとれない。
小生のアルコール不足で、脂肪がつきにくいのと一緒である(泣)

菅原文也は、大手の採卵養鶏場にも勤めている兼業農家である
「卵の方は、どうなの…」
「相場と売値が一緒です。今祖素場は、キログラムあたり190円から195円してますが…それが小売価格ですから、しんどいです。
特殊卵は、エサの配合を変えるだけなのですが、1ロット最低25000羽必要なのでそちらは高く売っても、売り切れません。」
「円高だから飼料は、安く入るのでは…」
「親会社が差額は吸収して…、1年に二度価格が変わるだけで…、円高メリットはありません。
それにスーパーの安売りがあって、契約で何回かそれにつきあわないと…、
スーパー仕様のパッケージが何種類もあって、パックする方も配達する方も間違わないようにするのが大変です」

「卵は物価の優等生」と言われる。昔は小規模養鶏場が経営できたが、今は大規模養鶏場しか生き残れない
そこで出てくるのが海外から飼料を輸入する商社系の養鶏場である。
飼料をあちこちに販売するのではなく、自分の子会社の大型養鶏場に卸すのである
為替差益は親会社の商社がもつが、子会社は毎日産卵される卵をいかにさばくか?販売力が問われる
いきおい、量をさばくスーパーの言うことを聞かざるを得ない
安売り、パッケージ、配達、賞味期限等々、スーパーの言いなりである
なんせ生産調整が出来ない生き物である。
そして雛も自動的に送り込まれて、廃鶏になるのも25000羽とか5万羽とか、一気に廃鶏にする
鶏は、太陽を拝むのは、廃鶏になるために車に積み込まれるだけだという
輸入する飼料を消化するために、飼っているようなものである
そして大量に出てくる鶏糞の処理にコストがかかる
企業養鶏は、消費者のためでなく飼料会社のためにあるような物である

昔は、一個の卵をかき混ぜ「白身が入った、黄身が少ない」と分け合って食べたものであるが…
今は、一人一個食べるのが当たり前になった。一人年間食べる卵は、300個近いという