新米のササニシキを貰った。
石巻の渡辺征治からである。
昨年から、当店で扱い始めた、
なんと言っても、宮城のササニシキである
ササニシキの産地として宮城県は。名高い。

ササニシキは、陸羽132号の子孫ではあるが、同じ子孫でもコシヒカリやひとめぼれとは違う

今年、渡辺晴久が作っていた陸羽132号は、残念ながら全て酒米となり、飯米として販売余力がない
(なんと言っても酒が優先なのだ!)

戦前戦後、陸羽132号は、耐冷性の良食味の米として、酒米飯米に利用され、東北で一番の作付面積となった。
その後、宮城県ではササニシキが育種開発され、新潟県ではコシヒカリが出てきた
ササニシキは、陸羽の流れをくんでさっぱり系の和食に合う米として、つい十数年前まで主力の米だった。
しかし、粘りの強いモチモチ感の米の代表コシヒカリの台頭で、ササニシキの一大産地だった宮城県は、ひとめぼれに変わっていった。
コシヒカリ・ひとめぼれ・あきたこまちは、モチモチ感の米だが、その中でササニシキはさっぱり系の米として一部で栽培されている
ササニシキは、作りにくい。草丈が高いので、倒れるのだ。

しかし、モチモチ感の米は食べて飽きる。なんと言っても味に主張があるのだ。
現代の食事が肉食中心に変わってきたために、味に主張を持っていないと負けるのである
だから何杯も食べられない。
宮沢賢治は「一日に玄米4合と…」と書いてあるように、以前の米は「量」を食べたのである
ちなみに一日に4合食べると、一人年間219kg食べることになる
現在は、一人60kg前後であるから、米余りはコシヒカリのせいである(!)

戦前や、米が満足に食べられるようになった近代でも120kgは大体一人の米の消費量であった。
それが60kg前後というのは、他の食べ物(パンなど輸入小麦)の問題もあるが、モチモチ感のコシヒカリなどの影響であろうと思う

ササニシキは、主張しない。
日本人は「口中調味」という技を持っている
洋食は、一皿一皿でてくる。和食は、多くの皿を並べる
口の中で味を調える技を、持っているのである
ところが現代は「ばっかり食べ」という子どもが多くなってきた
一種類のおかずばっかり、食べるのである
出てきた多くの皿から、箸でつまみながら様々な味を口の中で調える
それに合うのが、さっぱり系のササニシキである

日本の食糧自給率を改善するのは、ササニシキしかない(すこしおおげさ)

そんな渡部征治のササニシキだが、
今年はカメムシと高温障害の乳白米が、多少見られる

上がカメムシが吸った跡の斑点米
その下が青米の未熟米
その下左が高温障害の乳白米
その下右が普通玄米

斑点米は、白米にすると見栄えが悪いが味に影響が無い
青米は、白米にすると消える(どんな米でも入っている)
乳白米は、中に空気が入っているだけで味に影響は無い

そんなササニシキを炊いてみた

その炊きあがりのつやは、最高である。
これぞササニシキ!

しかし、少し粘りが…。まるでヒトメボレと遜色ない粘りだ。
今年の高温障害は、様々な影響を与えている
粘りは、温度と関係するというが…

無農薬のササニシキは、滝沢の武田哲が栽培している