札幌駅のホームに喫煙所がある
その前で、ジーパン姿の若い女の子が一生懸命カバンをひっくり返して何か探している

喫煙所のドアを開け、煙草を一本取り出して火を付けた
ところが、なかなか火が付かない
ようやく火が付いたころ、表で荷物をひっくり返していた若い女性が
指に一本煙草をはさんで、入ってきた
「火を貸してくれませんか?」と小生に声をかけた
度胸があるな?こんな禿頭の大男に火を借りるとは…
よほど切羽詰まっていたのだろうか?
それとも”外見は怖いけど、本当は優しい人”と感じたのだろか?

「いいよ」と言って百円ライターを、点火して差し出した。
が、すぐ消える。また火を付けた。が、すぐ消える
両手で風よけを作って火を付けたが、それでも火が消える
そのうち彼女は、辛抱が出来なくなったのだろうか?
小生の風よけの手を包み込むように手を差し出して抱え込んだ
何回か着火を繰り返しながら、白く柔らかな温かい手に包まれて、煙草に火が付いた
スレンダーなロングヘアーの若い女性は、
「ありがとうございます」
と言って、にこっと笑った。

吸い終わった後も、また「有り難うございました」と頭を下げて、ドアを閉めた。

柔らかな、ぬくもりの残った手でもう一本、火を付けた。
その立ち上る煙の先を見ると、天井が無かった。
煙は外へ出て行き、風が舞う空間だった。
こんな喫煙所、意味があるの?
まるで目隠しのない女湯ではないか?