良い人だったのだろう?
多分、その人は「良いことをしている」と思っているのだろう

母は、子育てや、内職や、舅の面倒などで、自分の時間をもてなかった
50過ぎて子どもが手を離れ、ようやく自分の趣味、生き甲斐を見つけた
それが書道だった。
徐々に腕を上げ。展覧会にも入賞し、人に教えるほどになったが…
乞われてカルチャースクールの先生となり、股関節を痛めながら、みんなで送り迎えをして、通った
だんだん歩けなくなり、止めざるを得なかったが、「続けて習いたい」と言う人があって、自宅で書道教室を開いた

その中に、その人はいた。
はきはきして明るく、如才ない人だという。
やがて姉妹という人が来て、「美容院をやっていた。髪の手入れをしてあげる」という
足が悪い母は、素直によろこんだ。
股関節が悪いことや、自分の親が認知症だったことなどを話したらしいが…
そのうちに、その人の友人という人がやってくるようになった。
「認知症予防に良い」というキノコの粉末をもって

時折「この洗剤お店で使ってみて…お金は私が…」と言ったり
「この腰バンドを使うと、調子が良くなったような…」
と言いはじめたのは一年前ぐらいからだろうか?
あるとき介護の専門家を連れて行ったら
「京都の会社の薬を飲んで調子がよいから…」と言った
「?」

いつの間にか、二つの健康食品や環境によいという洗剤の代理店にされ、自動引き落としの手続きをしていた
「安く買えるから…」と言って
そして、様々な商品を「使ってみて」と置いていっては、後で請求書が来るという

「良い商品を安く」とその人は思ったのだろう
代理店二つを、契約を破棄したら、その人から電話がかかってきた

「誤解があるようだから、説明に上がりたい」と…

断った、もし来たら
「”民生委員が、マルチ商法まがいの商売をしてる”と言いますよ」
今日の新聞は、「民生委員の、なり手が無い」と大きく出ていた

家の庭の柿が、落ちた。母も書道教室を止めた