「そしょく」と言うと、多くの人は”粗食”と頭の中に浮かぶ
「粗食」というと、ご飯に味噌汁、漬け物と…せいぜいお浸しと煮物かめざし、と思い浮かべる
しかし、羽釜で炊いた炊きたての白飯。それにたっぷりと出汁を取った自家製味噌の味噌汁
取り立ての胡瓜の浅漬け、庭の青菜のお浸しに、出汁の効いた煮物か。焼きたての大ぶりの目刺し
といえば、「粗食」ではない、本格的な、基本的な。豪華な和食の朝食であろう
ひょっとして粗食というのは、ファーストフードや孤食をいうのだろうと思う

そんなことではない「疎植イナ作研究会」である
疎植。まばらに植えることで安定多収を目指す稲作研究会である
これも当たり前のことであるが…
一株に何本も稲の苗を植えると、葉っぱ同士が重なり合って、光合成が出来ない(すくない?)
だから本数を少なく植えようという、話である
ところが、田植えの後、少ないと田んぼは水しか見えない
ということで、農家は数多く植えて、早苗が青々としている田んぼを見ると満足感がある。
それだけでないが、米の機械化の時代から一株に大量に植える稲作が流行となっている
 

そんな粗食研究会の現地検討会で、庄内に行った
東北6県ブラス新潟県の総勢18名である。
やはり東北の米というと、庄内は外せない
その一番の大本、山形県農業総合研究センターの水田農業試験場をたずねた

その水田試験場は「つや姫」一色である

 

つや姫とは、稲の品種名である
育種の段階で「山形97号」の名前が「つや姫」となった
つや姫という名前の通り、白くて大粒でつやがある

山形の品種で有名なのは「はえぬき」「どまんなか」というのがあったが、「どまんなか」が消えて
今山形県主に栽培している品種は「はえぬき」と「コシヒカリ」「ひとめぼれ」という
(注・カタカナは国が育種、ひらがなは県が育種という)

ところが最近の高温で一等米が激減している。(高温障害で白濁した米が混じる)
冷や水をかければある程度解消できるのだが、川の水まで温められ、ぬるい水が流れ込む
それが日照であっという間に40度ぐらいまで上がってしまう
そうなると、光合成の特徴である日中ブドウ糖を葉でつくり、夜に根におくるという動きが出来なくて
夜も草体の維持にブドウ糖が消費され、十分なデンプン寒流ができない
植物にとって一番大事なのだ、昼夜間の温度格差なのである

これは、夜間にヒーターで水を温め、昼夜間の温度差を少なくする試験田である
水の温度を上げることは出来るが、下げることは難しい(なるほど…)

そんな試験の中から生まれてきたのが「つや姫」である。
つや姫は高温障害につよく、外観もさることながら食味をよく、コシヒカリをしのぐ品種だと鳴り物入りである
昨年試験が終わって、今年は特別栽培米と有機栽培で売り出す予定だという

多収すると味が変わる可能性があるというので、多くの人に栽培させずに、一部の農家の限定栽培だという
そして宮城、大分と一部の県でも栽培を行うという

つや姫恐るべし、山形の戦略恐るべし、
コシヒカリをこえることが出来るのか?