「採れた。採れた。」大声で入ってきたシロクマである。
名前は吉田順平というが、心の中ではシロクマと呼んでいる
躰がでかくて。のっそりとしていて、頭髪やひげが白いのであるが、
歳は、自分と一緒である。
シロクマと違うのは、目がギョロリとして気が優しいことぐらいか?

彼がもって来たのはブルーベリーである
 3年目のブルーベリーである。
2年間農協に出荷して、返品されたという。
ブルーベリーは、収穫・選別が手間である
こんな小さな果実に規格があって分別しないと行けない

3Lは、直径20mm以上
2Lは、18mm
Lは、15mm
Mは、12mm

そして果汁が出ているのはだめ。
下の写真のように果実に付いている白粉が飛んでいるのはダメ

そんなこんなで、収穫の手間が大変で人件費がかかり、まして春の収穫と秋の準備で忙しいときにやるのは、野菜農家は無理で、果樹農家が多い
それでも摘み取り農園にして。手間を省くところもある

彼は、「企業秘密なんです。企業秘密!」としゃべりながら、収穫した後の管理を大声で教えてくれた
ブルーベリーは、収穫した後そのまま放置すると、すぐ過熟してダメに成ってしまう。
売り物に成らないのである。
そして、じゅくじゅくと果汁が凍みだし、ショジョウバエがでてくる
やっかいな果物である
「農協は教えてくれないのです」
「これは、誰にも言っちゃいけないですよ」
「今は3Lが採れますが、最初だけで私のは管理が良いからほとんど2Lです」
「でも収穫時期は8月初めまででしょうね」
「品種はブルークロップとブルーレイ、岩手の奨励している品種です」
つぎからつぎへと速射砲のように言葉が飛び出し、ただただ聞いているだけである

話は養鶏の話、エサの内容、「企業秘密・企業秘密」といいながら、そして最後に
「これ売れますかね?無農薬です。無農薬!」と言ってマンズナルインゲンを置いていった

「マンズナルインゲン」というのは矢巾の佐藤政行種苗の種で
方言で「まんず、まんず、よくなるもんだ」と”良く採れる”と言うネーミングです
この種が関西に行くと「ナルデ」という名前だという
関西弁で「なるでぇぃ〜」
なんとなく関西らしくて、えげつないネーミング…