田村久一は、トマトを主体としている農家である
そのほか春先はうど、秋は長いもなんかをやっている

       

「こんど共選になって…、早めに言ってくれないと…」とトマトの集荷に行った春先に、言われた

共選と個選という言葉がある

共選は、共同選果のことで、個選は個別選果(個人?)である
要するにトマトを収穫したままばらばらで共同選果場にもっていくのが共同選果
トマトを、農家が個人で選果して、箱詰めして出荷するのが個別選果である

共同選果は、個人で選別しなくて良いので手間がかからないが、JAに選果料を払わないといけない
また、きれいに揃うので、単価的に高く評価される。しかし、個人の商品が特定できない
有機栽培などの特徴ある商品を作る農家は、出荷できない
 

個選は、個別にA品B品C品、LサイズMサイズSサイズと分けないといけないので、手間がかかる
このクラス分けとサイズで20種類にもなることがある(LLサイズやSSサイズ、規格外などもある)
また余ったモノは「込み」や「混」という規格もあって、値段が安い、のもある。
この個人の選別は、信用がおけない、と言う判断をされることが多い
実際に、大根が二段に入れてあると、上だけLサイズの規格品で、下はMサイズの規格外と言うことがあった
昔は、箱に生産者の名前を入れていないので(農協の名前だけ)そういうことが、いつもあったらしい
昔の人は、そんな癖が残っているので、選別を誰にさせるか?それが問題である。
ところが、小さな市場では、良い物を作る人がわかっていて指名して売れることもあり、ブランド化している
そういう人にとっては、共選は困る

「共選になって、良かった?」と田村久一にきくと
「う〜ん、選果料が100円かかるけど…夜業ができるから…」と言って、いつもの笑顔を見せた