3ヶ月に一度の定期検診である。
やや遅れていったが…。いやに空いている。

「あのぉ〜心臓血管外科は?」
”心臓血管外科”の看板が、有るところに無いのである。

「新館に移りました。この青線に沿って歩いていけば…」
着いた待合室は、満杯であった。
3分診療である。
 

「血圧が高いね」
「先生の前に出ると上がるんです。心臓の毛をそったから…」
「はぁ〜? 血圧を下げる薬を強めにしないと…」と聴診器をあてて首をかしげた後、
その手を下にさげて、腹をつまむ
慌てて腹をへこますが、遅かった。しっかりと腹部のロース肉を捕まれて

「これだな。痩せたら血圧も下がるよ」
「痩せようと思っているのですが…、あんな入院時の小鳥の餌では。食べた気がしない」
「あれでも、生きていくに十分な食事だ」
「だって美味しいものを売っているのだから、食べ過ぎるのは当然でしょう」
「それもそうだな…しかし痩せないと…」
「ダイエットします」と小声で坊主頭をうなだれた。

診察後、9階に上がった。そこには

  岩手山が広がっていた

生産者が入院している。前に行った病室へのベッドには、マスクをかけた別人が寝ている。
「あれ〜病室変わったの?」とナースセンターで聞く

一度退院して、再入院したようである。ここは癌病棟である。
彼は、ラジオのイヤホンを聞きながら横たわっていた

「やはり肺がんか?」
「うん。”肺がん末期だ”と医者に言われた」
肺に水が溜まって「水を抜いて検査をする」と言われて入院をしたが…
彼は、父親が肺がんで亡くなっていたので、覚悟はしていたようである。

「あと半年ですか?と医者に聞いたら、”2〜3年にという訳にはいかないね”と言われた」
と淋しげに、明るく笑った。
「西洋医学だけでなく、いろいろな治療法があるから、何でも試してみたら…。
仲間の奥さんは同じは胃がんだが、免疫療法などで、元気にしているよ。」
と慰めにならない慰めの言葉をかける。
そこへ女性が尋ねてきた。
「姪っこだ」
「彼女かと思ったよ」
まだ独身の50になったばかりである。

店に戻ったあと、夕方シェフと話をする。
フランス料理のシェフに、こびる食堂の見直しをお願いしている。
彼はフランス料理ではなく、マクロビオテックの店の開店準備をしている。
「マクロビオテックでは、血圧をさらさらにするために、玄米菜食を提案しているが、肉食などの脂肪の取りすぎが一番問題なのです。しかし、太っているからといって悪いと言うことではなく、血液の脂肪を取り除き皮下に溜めているのです」

「じゃぁ〜太りすぎは、大丈夫なんだ(?)ダイエット止めよう」

「玄米菜食にすれば癌は消えますよ。不良細胞が溜まって癌になるのですが、それを取り除いたり抗がん剤などを呑むとせき止めていたダムが崩れて広がるようなものです。食べて直す、これがマクロビオテックです」

彼に勧めてみよう。