「美味しい枝豆がある」と聞いたのは、もう6〜7年前になるだろうか?
自社で開発した「秘伝」を、話してくれたのは、佐藤政行種苗の松浦社長(当時常務)だった。
当時、何とかして“在来種の野菜を生産したい”と考えていた時であった。
その時は、「岩手みどり」という“岩手”の名を冠した青豆を考えていたので、「秘伝」は“美味しい枝豆”という以外に頭に残らなかった。
“岩手みどり”を安代の豆腐屋さんに頼んで青豆豆腐を作ったが、1丁400円という値段の高さに、美味しかったが販売不振となり、止めてしまった。(青豆としては、今でも店頭に並べているが…)

 

その数年後、秋田の友人が“佐藤政行種苗に頼まれて、秘伝の種豆を作っている”という話を聞いた。“
そのうちにB級品でも分けて貰おうか?“と思っている間に、秋田の友人は、何故か生産を止めてしまった。

 そして昨年、スローフードを目指す横浜のレストランが当店にやってきて
「枝豆は、“山形の秘伝”を使っている」と誇らしげに言った。
「えっ!秘伝は、岩手の豆だ!」と言ったが、
調べてみると、“山形県の作付け面積が一番多い”と言うことであった。
 せっかく岩手で開発した豆が、なぜ山形の豆になってしまうのだ。
「むらむらと、なんとかせねば!」わき上がる闘志! 

そして昨年の春「秘伝を、納豆にしてみた。美味しかった」と言う人がいた。
それは「ある農家の納豆製造器でつくってみた。」と言う。
その納豆製造器は、以前から注目しパンフレットを取り寄せていた。
能力が分からないので、ペンディングにしていたが…
その納豆製造器で作った納豆を買いに、有る産直へ行った。
その納豆は、不味かった。なんと言ったって「豆が固い」「粘りがない」
秘伝をこんな納豆にしては、可哀相だ。
美味しいといった人は「賞味期限が切れるまで待って食べる」という
そんな、バカな!
秘伝を納豆にしてそんな売り方をしたら、絶対に売れない。
何とかならないか? 

とりあえず佐藤政行種苗から秘伝の種豆を購入した。
通常の豆の3倍の値段である。
そして昨年8月の末に、大内商店に試作して貰った。
そして、あちこちで試食をして貰った。大変評判が良い。
しかし、この豆で作ったら商品にならない。「高すぎる」
種豆のB品が無いか?しかし、毎年違うBの確率の変動で生産が安定しない。

色々と考えている間に「枝豆の秘伝が出てきた」紫波の阿部幸良であった。
阿部幸良は「枝豆で売れ残ったモノを大豆にする。売り先がないか?」という。
阿部幸良は紫波の長岡、犬草集落で集団営農組合を作っている。
その転作作物として早生・中手・晩生の大豆を生産しており、晩生の品種として秘伝を生産していた。
「しめた!いつ頃出来る?」「年末」という。 

それから、生産の目処がついたので、コンセプトを考えた。
原価を積み上げていくと、売値が100円を超える。
100円を超える納豆はある。しかし、売れ行きがどうであろう?
納豆で売り出すべきか?納豆と違うコンセプトが必要ではないだろうか?
そんなことを考えながら塩でたべる、納豆ではない…
そうか酒の肴だったら、一人前200〜300円でも買う(小生の場合)
「酒の肴の発酵豆」と言うコンセプトが出来た。 

それで有れば、容器は…
あちこちと探した。資材商社・インターネット・あちこちに声をかけたが、ドンドン時間が過ぎる。
それと平行して容器に貼り付ける文面を、前からミクシィで、その表現力に感嘆していたmicannさんに声をかける
「どんなのいいの?ぶっ飛んだ奴?」「当然!」
出来た文章のなかに、「たいこばん」とあった。これだ!
しかし、文字が面白くないと…。
そこへスズキ君が、いた。かれは、何度書き直しただろう。
印刷会社に詰めて、書き直し、ようやく出来た。
そのうちに大内商店紹介の資材商社から、容器のサンプルが送られてきた。
何とか気にあった容器を見つけ。

                                                 

ラベルの印刷をも終え、年末から生産を…と思ったら

“アルアルの納豆ダイエット偽データー問題”
大内商店は、すまなそうに
「生産が追いつかなくて…」と新規生産は、延期された。
いつになったら出来るだろう。二月か?三月か?そんな不安
しかし1月も下旬、急転直下、納豆ダイエットのねつ造データー発覚!

さぁ〜、とりあえず2kg(約50個)
あっという間に三日で売り切れ。
次に3kg(約75個)なんとか4日もった。
それから4kg(100個)。後一日分、足りない。
週に一度の製造で、売り切れが続出した。

 

こんな納豆、食べたこと無い。
大きいのに豆が柔らかい。
大粒なのに、粘りがすごい。
(納豆菌の)株がいいのだ。
かき混ぜて醤油を垂らして一晩おくと最高!
よせられる賛辞は、途切れることがない。

 

2007年3月